大世界史 現代を生きぬく最強の教科書/池上 彰・佐藤 優/文春新書

池上  「ダライ・ラマ」という称号は、元をたどればモンゴル語。一六世紀のモンゴル諸部族の指導者から贈られたものです。 

 

佐藤 韓国の歴史教科書には実に驚かされます。
 韓国は「反共国家」でした。だから唯物史観を認めない。そのため、日中の歴史教科書と違って歴史観がない。というより、世界の教科書のなかでも珍しい「テロリスト史観」によって貫かれています。「我が国の先達はここまで追い詰められ、テロをせざるを得なかった」と延々と綴られているのです。 

 

池上 北朝鮮は一応、規模はともかく金日成による抗日闘争があり、これによって祖国が出来た、というストーリーをつくることができますが、韓国にはそれが言えないのですね。
 

佐藤 「皆、イスラムに服従していく」という話なのですが、人間は順応するのが早いものだという、この雰囲気には、個人的には既視感があります。ソ連崩壊直後のことです。モスクワ大学マルクス・レーニン主義の教授たちが、一夜にして新自由主義者になっていきました。

 

 

 

2017年4月11日の動き

 
電気自動車のテスラの株価時価総額GMを一時上回ったとのニュースに違和感。たかだか年間8万台の自動車会社が年1000万台のGMより価値が大きいというのはおかしい。多くの台数を生産していると言うことは、多くの人を雇い、多くの人に製品を届け、多くの人の生活に貢献しているということ。この観点に立てば、いくら事業としてGMがイマイチだとしても、テスラより遥かに価値あるはず。もちろん、株価というのは収益力と将来性の評価で決まるわけで、その観点ではGM時価総額を上回ることがあるかもしれない。つまり、企業の価値と株式の時価総額は同義で無いということを改めて実感。株価を唯一の目標として企業活動を行うこともまたおかしいのです。
 
----
 
『絶対達成マインドのつくり方』読了
『図解ピケティ入門』読了
 
タコパ
 

私的生活/田辺 聖子/講談社文庫

いつもとちがう、天啓みたいな閃き。
 剛は今までほんとに仕事だったのかしら、女と一緒にいて、その余韻がまだ指先や躰に揺曳していて、私に向うときに、不用意に出たのとちがうのかなあ、って。
 これは書いたり言ったりすると長いけど、一瞬のあいだに、ぱっぱっと考えたのである。

 

 そうだ、幸福という言葉を忘れてた。
 私は、剛と食欲に充たされた生活を、「贅沢」と表現するけれど、「幸福」と呼んだことはないのだった。

 

私的生活 (講談社文庫)

私的生活 (講談社文庫)

 

 

棋士の一分/橋本 崇載/KADOKAWA

 オールスター戦の開催というアイデアは先にも述べた。そうした大会が実現できたときは、選ばれた棋士だからこそ指せる「将棋の中の将棋」を提示して、ファンに見てもらいたいと思っている。
 
 私は、競馬の有馬記念のような、「ファン投票で出場者が決まる」新棋戦を創設したいと考えています。
 

 

2017年4月8日の動き

外れ馬券の経費判定を巡って最高裁で争った卍氏の本を読む。その手法にはいくつも目を開かされるものがあり、ここ最近で最もインパクトのあった本の一つに入った。ギャンブル系で言えば「科学する麻雀」以来。考え方としてはファイナンスの理論に近いものがある。自分の投票によってオッズが下がる事を考慮する必要があったというのは驚きですね。
 
----
 
『馬券裁判』読了
『競馬の勝ち方』読了
 
甲府戦 観戦

2017年4月7日の動き

名人戦大盤解説を聞きに椿山荘へ。そばの神田川沿いの桜並木が満開で見事。そして椿山荘の庭園はやはり美しくフォトジェニック。思わず何枚もシャッターを切った。対局は挑戦者の稲葉八段が快勝。敗着とされた▲2五飛からは一方向に形勢が傾いていった。名人に見落としがあったということ。将棋の怖さを感じる一局でした。
 
----
 
ラン 7.9km/47m
 
名人戦第一局 大盤解説会に参加

情報を活かす力/池上 彰/PHP研究所

良い本。多くの人にとって参考になると思う。
 
----
 よく「本をいくら読んでも内容が覚えられないんですが……」と質問されることがありますが、私だってそんなことはできません。人間の記憶なんていい加減なものです。読んだものをすべて覚えているわけがない。所詮ザル、いや穴の空いたバケツで水をすくっている程度のものです。
 でも、せっせとやっていると、少しはたまってきます。穴だらけのバケツで水を汲んでいる状態なので、どんどん忘れていきますが、少しは残る。そこに意味があるのではなかと思っています。

 

 もし面白い本に出合ったら、人に話す前に「何が面白かったか?」を自問自答してみるようにしましょう。その上で、その本の内容や面白さを誰かにわかりやすく説明します。
 

ちなみに、センセーショナルな記事を売り物にする夕刊紙や週刊誌が「消息筋によると……」という表現を使うことがあります。実はこれ、書いている本人のことである場合が多いのです。眉につばをつけて読みましょう。

 

情報を活かす力 (PHPビジネス新書)

情報を活かす力 (PHPビジネス新書)

 

 

巨人軍「闇」の真相/西﨑伸彦/文藝春秋

「来季の巨人軍に、清原君の居場所はない」
 ある人は、僕にそう言った。
 ある人であって、球団の人ではない。
 それが、読売巨人軍という球団の妙なところだ。

 

 堀内政権下で辛酸を舐めた二年は、清原に巨人軍に対する憎悪の感情を刻み込んだ。清原はこれ以降、「球界に三人だけ許せない奴がいる」と公言して憚らなかった。
 一人はドラフト会議で清原を欺いた桑田真澄、二人目は巨人時代に清原を冷遇した堀内恒夫、そして三人目が二〇〇四年のオフに事実上の戦力外通告をした球団OBだとされている。 

 

 清原にとっては家族との距離感もまた微妙で、愛情表現も不器用そのものだった。
 野球を始めた小学生の息子と一緒にキャッチボールをしたい気持ちはあっても、どうしていいか分からない。事務所を通じて、キャッチボールのためだけに平日の朝八時半から神宮球場を借り切ってもらった事もあったという。

 

 二十代前半の桑田は、次第に社長との関係を深め、事務所にも度々顔を出すようになった。社長の威を借り、生意気な口を効く当時の桑田評は、のちに”投げる不動産王”と呼ばれた金の亡者のイメージとも重なる。メジャー挑戦を果たしたストイックな姿勢や、近年のメディア出演で見せる温厚で理性的な現在の桑田像からは想像もできないが、これが”若気の至り”というものかもしれない。
 
 巨人軍がホーム球場としている東京ドームには、かつて「魔物」が棲んでいた。
 昔から興業の世界では知られた住吉会音羽一家という名門博徒が、東京ドームの前身である後楽園スタヂアムの時代から、後楽園グループと深い繋がりを持っていたのである。それは球界では公然の秘密だった。

  

巨人軍「闇」の深層 (文春新書)

巨人軍「闇」の深層 (文春新書)