拝金 青春経済小説/堀江貴文/徳間書店

皆さまご存知ホリエモン"作"の小説。以前にも読んだ事はあったけど、Kindle Unlimitedにあったので再読。その時には気付かなかったのが下記の引用部分。凋落のプロセスがこれと沿っているかは検証が必要だが、2010年の出版時点で見通していたのであれば、慧眼と言わざるを得まい。
 
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MSCBのために、ヤマトお得意のドラマや映画、イベント事業などのコストも削減されていく。そうなれば、コンテンツの劣化は火を見るより明らかだ。番組の質が低下すれば視聴率が下がり、広告収入も減る。ヤマトテレビはジワジワと沈んでいくことになる。
 
 現時点では、ヤマトテレビの業績は悪くないし、質の低下も目にはつかない。  だが、オッサンの仕掛けた時限爆弾は、ゆっくりと針を進めていく。今後、いやおうなしにネット時代は進み、テレビ離れは加速していくだろう。テレビ業界自体が低迷すれば、民放キー局の中でヤマトテレビが真っ先に脱落することになる。俺は湾岸の新社屋にある豪華な社長室を思い出した。オッサンはあの「玉座」を、巨大な爆弾の上に置いた電気椅子に仕立てたのだ。そこに憎むべき父親を座らせ続ける。
 
俺は金を失ったが、人脈があり、アイディアがあり、何より「戦う」気持ちがあった。
 
拝金 青春経済小説

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